フィリピンでの戦いを知るため、まずは親しみやすいものから、ということで読みました。
出征中の夫へ毎日手紙を書き続けた福井の女性の手紙の内容がメインです。
夫を慕う女性の気持ちが率直に、丁寧に手紙につづられていました。
家族が寝静まった夜に、尊敬する夫に話しかけるように、敬語で、そして美しい日本語で。
夫を立てる古き良き妻、というよりも、尊敬できる男性に出会い、自分の情熱を一心に注いでいく姿はとても美しく、うらやましくもありました。
さて、なぜこの本を参考書として読もうとしたかと言えば、
この手紙の受取人である夫がフィリピンのミンダナオ島のダリヤオン捕虜収容所にいたからでした。
ダリヤオンという場所がどうしてもわからないのですが、
ダバオの近郊?という説もあり、ご存知の方はぜひ収容所の場所を教えていただきたいです。
大叔父が捕虜収容所で亡くなったこともあり、様子がわかればと思いましたが、
そのあたりの情報はこの本にはありませんでした。
しかし、なぜ捕虜になりながらも手紙を取り上げられなかったのか?というくだりで、
興味深い記述がありました。
捕虜収容所での待遇について
1. 平和記念展示資料館の学芸員・佐貫正和さんによれば、
アメリカ管轄の収容所はロシア、イギリスに比べて人道的な扱いを受けていたという。
2. 『比島ミンダナオ島戦記』にも「ダリヤオン捕虜収容所の生活は暢気であった。
肉もミルクもたばこもある。チョコやキャンディーやビスケットもある。
慣れない食べ物で下痢患者も多い」という記述もある。
3. 1929年に制定された「ジュネーヴ条約・俘虜の待遇に関する条約」に沿って
収容所を運営していた。
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